台湾の民族と言語

台湾の民族と言語 台湾の文化

台湾の国語は中国語

台湾では大半の人が中国語を話すことができ、現地で中国語は「國語」(日本の字体で国語)と呼ばれる台湾公式の言語となっています。台湾人が中国語を話すと中国人と意思疎通はできますが、中国で話される中国語とは違いがあります。そのため、日本では台湾で話される中国語を「台湾華語」と表記して区別することがあります。

現在の台湾では「國語」の地位にある中国語ですが、歴史的な理由で年配の方は現在の中国語教育を受けていないため、中国語を話せない方も少数ですがいらっしゃいます。特に台湾語が盛んに話されている台湾南部ではその割合が高いです。

台湾は多民族国家

台湾は他民族国家です。複数の民族が住んでおり、中国語に加えて各民族独自の言語を話します。台湾の民族は、以下の4つの民族に大別できます。

民族名 使用言語
閩南びんなん 台湾語(閩南びんなん語の台湾方言 )
客家はっか 客家はっか
原住民 各原住民族の言葉
外省人 主に中国語

上記のうち、昔から台湾に住んでいた民族(上記のうち閩南人、客家人、原住民)を合わせて本省人と呼びます。

閩南人

台湾で最も人口が多い民族で、台湾人口の70%程度を占めます。中国大陸の福建省から移住してきたとされています。閩南語の台湾方言である「台湾語」を話します。台湾現地で、台湾語は「台語」と呼ばれることが多いです。

客家人

台湾で閩南人に次いで人口の多い民族で、台湾人口の15%~20%程度を占めます。中国大陸の広東省から移住してきたとされています。桃園市や高雄市美濃区に多く住んでいます。客家語を話します。

原住民

中国大陸からの移住が盛んになる前から台湾に移住してきた民族です。原住民は台湾人口の2%程度を占めます。台湾の原住民は単一ではなく、複数の原住民が存在し、各民族で異なった言葉を話します。現在、台湾政府が認定している原住民は16民族です。

原住民は元々、狩猟社会でしたが、都市部での生活を選ぶ原住民が多いために文化や言語が失われつつあります。そのため、原住民の文化や言語を保護しようという動きがあるそうです。

外省人

本省人と比べ、移住してからの期間が短い人たちをまとめて外省人と呼びます。

驚異的な台湾人の人種識別スキル

台湾人は身体的特徴から人種を識別する能力に非常に長けています。日本人が台湾に行くと、台湾に行くと「日本人ですか?」と話しかけられたという話を何度か聞いたことがあります。これはすごいスキルです。逆に、日本に来ている台湾人を身体的特徴から判断して判別うることができるでしょうか?私はできません。

台湾人は、なぜこのようなスキルがあるのでしょうか?台湾は他民族国家であり民族によって言語や宗教、行動等に違いがあります。トラブルを未然に防ぐため、相手によって適切な対応をするのが重要事項であり、日常生活で相手の身体的特徴からどの民族かを判断すべく、常にアンテナを張り巡らせているようです。

人種識別スキルの例

ほぼ単一民族国家である日本人からすると、この人種識別にアンテナを張り巡らせるというのは、いまいちピンと来ないかもしれないので、少し実例を出したいと思います。

日本で「あの人台湾人だ」とわかる

台湾人の妻は、日本の街を歩いて台湾人を見かけると、身体的特徴から「あ、あの人台湾人だ」とわかるようです。フレンドリーな台湾人は、外国で会うと簡単な挨拶をすることが多いそうです。

なぜか途中でタクシーを降りた

台湾人の妻は寺院巡りが大好きです。タクシーで道教の寺院に向かっていましたが、運転手さんに「ここでいい」と言って、寺院がまだ見えない少し手前で下車しました。後で理由を聞いてみると、車内にあったキーホルダーからキリスト教信者と判断し、無用なトラブルを避けるために寺院が見える前に下車したそうです。

台湾語

台湾語は、中国の福建省南部で話されている閩南語の台湾方言です。日本統治時代に、多くの日本語が外来語と定着したのが特徴です。日本語由来の外来語はかばん、おっさん、おばさん、オートバイ等があります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました